こんにちは関山です。





1、2話で収まるかと思ったのですが、予想以上に長くなり、、全4話くらいになりそうです。







前回の続き




物件と資金調達のメドが立ったので本格的に出店に向けてスタートを切る事が出来るようになりました。





もちろん物件や資金調達の目処が立つまで何もしないわけではありません。





その間も通常の仕事をこなしつつ内装のデザインやHPのデザイン、名刺などの印刷物のデザインも並行で進めていきます。






当時の進め方は、良さげな物件があったらネット上から間取りを抜いてきて、僕がフォトショップやイラストレーターでレイアウトとインテリアのイメージを作る。



それを内装業者さんに送り、その後不動産屋さんと連絡を取り日取りを決め内見。同時に現地調査をして、実寸レイアウトを計り、電圧・水道・ガスの設備調査。






過去の実現しなかった幻の物件たちの一部↓





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代官山Luz SONNA平面図H27.05.jpg



代官山案件その2 25坪 地下1階 物件自体の雰囲気は良かったのですが、ゲリラ豪雨で水没歴ありとの情報と、前テナントがまだ退去前で原状回復まで時間がかかるとの事だったので断念。


いやー今見てもこのハコのレイアウトは良いですね。綺麗なレイアウトだし、カタチ的にも面白い。できればやりたかったけど水没は無理。





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下北沢案件 22坪 こちらは7ヶ月くらい入居がなかったのですが、突然家賃が10万近く下がり、そのタイミングで申し込んだら他にも5社くらいの申し込みがあり。落選。







などなど他にも数件の候補がありその都度レイアウトを組みました。





で、最終的に決まったのが今の物件。





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原案1





約30坪で広さ的にはまずますなのですが、レイアウトが超組みにくい。




原因は2本の柱とエレベーター。




これがあるために縦横のキャパが取りにくいのです。



僕はシンメトリー構造が好きなのですが、綺麗な長方形や正方形のレイアウトのハコではないのでそれも難しい。




正直今まで見てきた候補物件の中で最悪の構造でした。






とは言ってもこれで進めていかなくてはいけないので無い知恵絞って何度もフォトショップでレイアウトを組み直し。







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原案2 微妙なハコだなーと思いつつレイアウトを組む。


セット面7、シャンプー台3(サイド)レイアウト的にあまり綺麗ではない。ボツ。






IMG_0677.JPGのサムネイル画像





原案3 セット面6 シャンプー台3(yume ixi)なんか平凡なのでボツ。




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原案4 セット面8 シャンプー台4 シャンプー台を斜めにしてみたりしてなんとかスペースを確保しようと試みる。


やや今のレイアウトに近い。ただ作業スペースがほとんど確保できずボツ。







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原案5 セット面8 シャンプー台3 灰色の部分が床上げ。レセプション周りはヘリンボーン仕上げ。


床上げ面積を広くし、セット面とシャンプー台をフラットな構造にしてみる。


こちらもまずまずだが、シャンプー台とセット面の距離が近く作業スペースを確保できるかギリギリだったのでボツ。


ここらへんからスタッフルームとトイレの位置が完成形に近くなりレイアウトが固まり出す。





代官山sonaa平面図H27.06.jpg



タオルダスト上から.jpg横から見た図.jpg



三角形タオルダスト




sal-シャンプー台タオルボックス.jpgsal-タオルボックス 上.jpg



天吊型タオルボックス





原案6 レイアウトを調整。作業スペースを確保するためシャンプー台周りは壁付けのタオルストック・タオルダストではなく天吊のタオルストック。導線を確保するために三角形型のタオルダストをデザイン。ただ、エントランスの導線にセット面がぶつかるのと、待合と作業スペースが干渉するのでレイアウト組み直し。ほぼ現在のカタチ。






代官山SAL平面図H27.07.jpg



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最終案 作業スペースもしっかり確保。セット面8面だが、床埋めの電源をいくつか設置し、電源供給の拡張性をもたせたまま最終的に6面に。


照明の規格はイニシャルコストはかかるが全てLEDに統一し省エネとランニングコスト削減を図る。天高が2.8mと低く吊り下げ式のレールライトだと天井がガチャついて空間を圧迫するのですべて天井貼り付けにし、ダウンライトは明度調整式のもので雰囲気を出す。空調は残置×1設備×2。エアコンの年式と風の流れを考慮し移設。


フロア奥の壁はすべてミラーにし、奥行きが出て見えるように。シャンプー台の床は床下排水のために床上げ。シャンプーブースの前面はクリアガラスとスライド式扉とし、抜け間を出すデザイン。



使用素材は徹底的に絞り、木材、ブラックガラス、アイアン、ライトグレーのコンクリートがメイン。


シンプルかつアヴァンギャルド。はやりのヨーロッパアンティーク風には絶対にしない笑




これにてレイアウトとデザインの大枠は決定しました。




そこからさらに細かい見積もりを出して減額調整(削れるところを削り予算を下げること)をするのですが、使用素材によっては驚愕の金額で見積もりが上がってきたりするんですね笑


当時は素材の単価に関する知識もほとんどなかったので、さらに細かい調整を強いられることになります。



それについては次回書きます。





契約前からレイアウトとデザインを進めてきて、最終レイアウトとデザイン案に収まったのが融資決定から2週間後くらい。





その間も現場では解体工事を進めていました。






今回はここまで。次回は現場の工事風景の写真も載せながら、完成するまでの流れを書きたいと思います。









次回へ続く。