村上春樹「騎士団長殺し」
でましたね。
まぁ、ハードカバーで買っちゃいますよね。
村上作品で一番初めに読んだのは「スプートニクの恋人」
二十歳くらいの頃でした。
当時僕は実存主義にはまっていて、ドストエフスキー・サルトル・カミュ・ヘッセ・大江健三郎なんかを読んで、たいして理解もできていないのに「ふむ、人間とはなんたるか」みたいなことをこねくり回す若造でしたw
なので当時春樹の良さはさっぱりわからず。
時が経ち25歳位になった頃「ノルウェイの森」を読んだのをきっかけに村上春樹にはまりました。
それから彼の長編を全て読み、短編やエッセイもだいたい読み、彼のルーツと言われているアメリカ文学を読みました。
ヴォネガット、ブローティガン、フィッツジェラルド。
村上春樹の作品やキャリアを批評するのってすごく難しい。
知識人や文壇からは色々と叩かれることも多いわけですが、正直批判している方々の中に的を得た言説を擁した人を見たことがない。
世間一般でも「村上春樹が好き」というのがちょっとチャラいというか浅いというか。なぜかそういった捉え方をされてしまう作家。
売れすぎてるのとメディアのせいもあると思うんですけどね。
多くの作家なりアーティストなりミュージシャンが、市場で消費されたり才能が枯渇して消えていく中、ずっと孤高のポジションを維持し、過度に賞賛する人や熱心に批判する人を相対的にダサくしてしまう無敵バリアを纏っている人。
デタッチメント、コミットメントなどの言説ありますが、今も昔も、彼にまつわるものは関わりすぎないことが重要なんじゃないかなぁ。
人並みくらいには小説やその他の本を読んできて、考えを頭の中でまとめてアウトプットすることが好きな人間ですが、この人に関してはほとんど伝えるべき重要なことが浮かんでこない。
それは村上春樹に関して語り尽くされた評価軸でしか伝えることができない自分を恥ずかしく思う気持ちからではなく、ある種の諦めからです。
ものすごく個人的な感想ですが、もし彼を評する有効な突破口を設定できるとしたら、作家としてや作品云々ではなく、あえてマーケティング視点で考えるなら捻り出せるかもなー。とか思ったりします。
明日は休みなのでじっくり読みたいと思っていたのですが、仕事が溜まっていて読めないかも。。
早く作品の世界にどっぷり浸かりたいです。
関山