セット面増設。と最近の経営雑感。
先日セット面を増設しました!
6面から8面へ。
今までは面が足りなくなると、お客様にシャンプー台に移動していただくなどご不便おかけしていたのですが、かなり解消しました。
予約が取れるキャパシティも増え、現在は以前より稼働できる状態です。
おかげさまで3月は売上が急上昇し、4月に入っても3月と同じかそれ以上のペースで推移しています。
結果を出せているのはすべてSOCOを支持してくださるお客様のおかげであり、毎日頑張って働いてくれているスタッフ皆様のおかげです。
本当にありがとうございます。
だいぶ利益が出るようになってきましたが、経営方針は以前とまったく変わりません。
利益はほとんど残さず(銀行融資が受けやすい決算書を作れる利益だけ残して)結果が出れば全てヒトとモノ(2店舗目3店舗目、や設備)に投資する。
利益は重要ですが本質ではありません。
労働環境を良くし、スタッフの給与を上げ、店舗を増やすなど、次のステージに進む為の原資です。
決して経営者のためのものではありません。
相変わらず最も緊急の案件は人事です。
3月4月と2人採用できましたが、まだまだ人が足りません。
今年の9月〜10月までに11〜12名体制にすることを目指します。
とにかく良い人材がいればすぐに採用したい。
オープンから1年7ヶ月。本格的に2店舗目の構想を実行段階に移すフェイズに入ってきました。
去年の10月。会社説明会にて2店舗目出店計画を発表し、達成の為に売上・人事の目標を設定し運営してきました。
これまでほぼ目標の数値どおりに推移してきて、3月は売上・人事共に目標以上の結果を残すことができました。
また、2月の末から進めていた銀行融資が内定し、資金面でも当面の段取りと余力がつきました。
とにかく結果を出す為に日々一生懸命仕事をし、徐々に目標に近づけているのは嬉しいことです。
僕の経営戦略は単純明快です。
「成果を上げられる領域を発見し、スピード感をもってリソースを全投入する」
基本的にこれだけです。
とは言っても、何でもかんでもこれはイケる領域だと勘違いして手当たり次第にやってしまうと、結局なに一つ効果があげられず疲弊してしまうことになります。
時間と資源は有限ですから、最も効果を最大化できる領域を絞り、リソースを集中しなくてはいけません。
力を注ぐポイントは2つあります。「マーケティング」と「(組織運営上の)イノベーション」の2つです。
これには理由があって、ドラッカーの「マネジメント」にそう書いてあったからです。
『企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが効果をもたらす』
とのこと。
この一文は本質を突いています。
ヘアサロン業界と照らし合わせながら、自分なりにいろいろ咀嚼したうえで、この言葉に忠実になるよう今まで経営してきました。
「マーケティング」に関してはまだいくらでもフロンティアのある領域だと思っています。
特に広告戦略に関してはホットペッパービューティー登場以降、業界のルールが変わったのでルールに適合した最適なマーケティング戦略が必要です。
ホットペッパービューティーの登場は今思えば業界におけるパラダイムシフトでした。
戦国時代でいうところの刀で戦うか、火縄銃で戦うかの違いでしょうか。
もちろんすでにホットペッパー以外にも第2第3のウェブマーケティング勢力が拡大してきているので、それらを有効に機能させる戦略が必要になってきます。
しかしながらマーケティングの本質は広告戦略ではありません。
ドラッカーさんによると、全く本質を得ていないないどころか的外れですらある。と厳しく批判されてさえいます。
『マーケティングの本質は顧客のニーズを理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにする事である。
顧客が必要とし、満足し、価値あるサービスだと思うものを提供せよ。最も理想なのは販売自体を不要にする事である』
なるほど。
自分たちが価値ありと思うところからスタートするのではなく顧客が価値ありと思うところからスタートしなさい。という事です。
もちろんお客様がどういったところに価値アリとするのかをすぐに把握できるわけではありません。
一昔前だとアンケートを取ってニーズを調査する方法などあったかと思いますが、手間がかかるし、調査の方法によっては有効性を判断しかねる。
顧客にとっての価値を把握する方法は色々あるわけですが、基本的に客観的な数値は最も信憑性があるので、そこを起点に精査すべきです。
手軽にできるところだと、今はホットペッパーのサロンレポートなどの便利な機能があるので自社で数字を調査・検証しマーケティングに活かすことはすぐにできます。
顧客目線で価値を発見できるように視点を変化させる事が重要です。
一方「イノベーション」ですが、個人的には我々の業界で通常発想のイノベーションはすでに限界があると感じています。
どういうことかというと、ヘアサロン業界はコモディティ化しているので、商品、サービス、価格、コンテンツ自体のイノベーションはほぼ枯渇していると判断しています。
アンテナを張って流行をキャッチしたり、価格やサービスなどをフレキシブルに仕様変更できる弾力を持ち続けることは重要ですが、例えばAIの進化で自動カットマシーンみたいなものが登場したり、バイオテクノロジーで髪質自体を変化させらるような技術が現れない限り、構造をドラスティックに覆すようなイノベーションはそうそう起きないでしょう。
それよりもマネジメント上(組織運営上)のイノベーションを最も重要視しています。働き方や価値観の多様性であるとか、フラットな組織作りだとか、自主自立の精神によるモチベーションのコントロールとかです。
各個人が最も力を発揮できる領域を見いだし、スタッフに従来の固定概念を超え2倍3倍のスピードで成長できる環境を組織が用意すること。
それによって生産性を高め、組織運営上のイノベーションで差別化を図るのです。
ざっくりいうとそのような方針で今まで運営してきました。
現状それなりに結果が出てきているとはいえ、今までもそうだったように今後も大小様々な失敗をするでしょう。
ただ、同じ失敗するにしても、ちゃんと理論の裏付けがあれば自分の判断に自信をもって意思決定していくことができます。検証・反省もできます。
大枠の進むべき方向が正しければ、たとえ誤った方向に舵を切ってしまったとしてもすぐに軌道修正できるはずです。
基本に忠実に。奢らず慢心せず、これからもコツコツと頑張っていきます。
関山