「逆張り」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?


株やFXなど、金融商品の取引をしたことがある人は聞いたことがあるのではないでしょうか?。


「逆張り」とは読んで字の如し。「通常とは逆の方向に張る」ということです。


「張る」だとわかりにくいかもしれないので「賭ける」とか「向かう」と捉えればわかりやすいかもしれません。


 


 


金融取引では株価の動きに対して株が上がっていれば株を「買う」株が下がっていれば株を「売る」というのが基本的なやり方です。この方法を「順張り」といいます。


 


それとは逆に、株が上がっている時に「売る」人や、逆に下がっている時に「買う」人がいます。 こういうやり方を「逆張り」といいます。


 


株取引におけるセオリーは「順張り」です。「逆張り」は危険なものとされています。


これは本当です。素人がやってはいけません。大損します。


しかし、世の中には、あえて逆張りをして大儲けしている人たちがいます。


金融のプロたちです。


 


金融市場だと逆張りは大変危険なこととされていますが、仕事に置き換えるとどうでしょうか?


 


 


 


 


【本記事を読むことで理解できること】


 


・普通にやっても美容室経営は成功しないことがわかる


・では、どうすればうまくいくのか?方法がなんとなくわかる


・SOCO/AO/SUNが3年で3店舗出店できた理由が見えてくる


 


 


 


 


 


【美容室経営 普通にやってもまず勝てない】


 


 


世の中には星の数ほど美容室があります。その数24万件とも言われています。


美容室の数にまつわることや、多すぎてヤバイみたいな話は語りつくされているので今更詳しくは書きません。


それだけ美容室がある中で、普通にやっても3年で3店舗出店することはかなり難しいです。


このような業界のことを経済用語で「レッドオーシャン」とか「コモディティ」といいます。


 


では、競争の激しい業界で、どうやったら結果を出すことができるのでしょうか?


 


・技術の質を上げよう


・サービスの質を上げよう


・インスタを頑張ろう


・ブログを頑張ろう


 


すぐに思いつくところだとこんなところではないでしょうか?


 


もちろん間違いではありません。


しかし「誰でも」思いつくことです。差別化を図るのは難しい。


誰でも思いつくこと。みんながやってること。これは「順張り」といえます。


 


 


 


 


 


 


 


【逆張り的発想とは?】


 


順張りで何かをやっても結果が現れるまでにすごく時間がかかります。


なぜなら、すでにみんなやっているから。競合が多いから。


 


では逆張りではどうでしょうか?


以下、例を挙げてみます。


 


①  ホットペッパービューティーのサービスが立ち上がった当初から掲載しているサロン


 


②  ホットペッパービューティーでお客さんがいっぱいくるぞ、と聞いてから掲載を始めたサロン


 


③  ホットペッパービューティーが社会的インフラになってから始めたサロン。


 


 


さて、それぞれどうなったでしょうか?


 


 


①  ホットペッパービューティーが出た当初、早い段階から掲載していたサロンは大変儲かったでしょう。



②  ホットペッパーが儲かるぞ、と聞いてから掲載を始めたサロンはそこそこ儲かったでしょう。



③  ホットペッパーがインフラになってから始めたサロンは広告費をペイできるかどうかトントンでしょう。


 


 


上記3つの中で①のサロンが逆張りに成功したと言えます。


逆に②と③のサロンが順張りのサロンです。


なぜ①が「逆張り」かというと、まだ誰も目をつけていない・やりたがらない段階から始めたからです。


 


「ネット広告?ダセーよ」


「ネット予約?だれも使わねーよ。電話の方が丁寧だし。そもそも予約帳公開したくねーよ」


 


そんな時代でした。しかし、今そんなこと誰も言わないですよね?


 


みんながやりたがらない中「いや、ウチはやってみる」が①のサロン。


結果、大きな利益を挙げました。


まだ誰も始めてなかったから大きな利益を挙げることができたのです。


早い段階で始めることで生まれる利益のことを「先行者利益」といいます。


 


同じようなことがインスタやyoutubeでも起こっています。


 


 


が素晴らしいみたいに書いていますが、実はが一番オイシイ場合があります。


この件については長くなるのでまた別の機会に。


 


 


 


 


 


 


【逆張りはいずれ順張りになる】


 


上記例を見るとわかるように、サービスが拡大する前、初期段階から目をつけてスタートしているところが大きく利益を獲得することができます。


その段階で「みんながやりたがっていない」ということが重要です。


しかし、サービスが社会的に認知されるとみんなが始めるので、すでに「逆張り」ではなく「順張り」となります。


その段階では「みんながやりたがって」います。


 


競合が増えると競争が激しくなり利益を挙げることは難しくなる。


わかりやすくいうと、「旨み」がなくなります。


 


また、サービスに依存しすぎることも危険です。


かつてmixiやニコニコ動画が流行りましたが、今では衰退しています。


 


我々の業界では以前「雑誌」が最も強い広告でしたが、ほぼすべてネットに移行しました。


雑誌時代を引きずり、ネット時代に対応できなかったサロンの多くが業績を伸ばすことができず、衰退していきました。


 


このように、アナログからデジタルへ移行するなど、社会的な大きな変化を経済用語で「パラダイムシフト」(世の中の流れが変わること)といいます。


 


 


 


 


 


 


 


 


【なぜ3年で3店舗出店できたか?】


 


 


創業から3年でSOCO・AO・SUNと3店舗出店することができました。


お客様とスタッフのおかげなので、自慢するつもりはありませんが、これは業界でもかなり早い方でしょう。


達成できた理由には様々あります。今回のテーマである「逆張り」をしてきたから。ということも理由の一つです。


 


もう少し具体的に述べると


 


競合ができないことをやり、差別化を図ってきたから。


 


です。


 


 


商売の基本は


 


「他がやれないこと」もしくは「やりたくてもできないこと」


「マネされないこと」もしくは「されにくいこと」


 


をすることです。


 


これを「競争優位」または「競争優位性を獲得する」といいます。


 


競争優位性で考えると「他がやれないこと」「他にマネされないこと」が最も競争優位性が高い。ということになります。


しかし、世の中で「やれないこと」「マネされないこと」というものは基本的にありません。


あるとしたらグーグルのような特権的な検索エンジンの仕組みを持っているとかです。


それによってグーグルは莫大な利益を挙げているのです。


グーグルみたいなモデルを目指すことは現実的ではありません。


美容室のような競合の多い市場で、マネできないものなどありません。


すぐやれます。マネされます。


 


ということで、我々が考えるべきは


 


他サロンが「やりたくてもできないこと」


他サロンに「マネされにくいこと」


 


ということになります。


 


そして、もう一つ重要な要素を追加します「やりたがらないこと」


これが重要です。


 


 


【競争優位をどうやってみつけるか】


 


美容業界において


「やれないこと」や「マネできないこと」はない。と述べました。


 


では、考えてみてください。


それより難易度の低い「やりたくてもできないこと」「マネされにくいこと」をすぐに思いつくでしょうか?


 


なかなか思いつかないのではないでしょうか?


特に「マネされにくいこと」は思いつきにくいと思います。


 


もし、どんどん思いつくって人がいれば商才があるかもしれません。


 


 


さて。逆を返すと、思いつきにくいからこそ、思いつけば「競争優位性」を獲得できるということでもあります。


 


ではどうやったら見つかるのか?


 


見つけるために、オススメの方法が3点あります。


 



1内部的視点


2外部的視点


3客観的視点


 


この3つです。


 






 


 


【3つのフェーズで考える。内部的視点、外部的視点、客観的視点】




 


ではそれぞれの視点に関して具体的に解説していきます。


 





《内部的視点》


 


自分が美容師として働いていて「この部分どうにかならないかなー」と、不満に思うことを考えてみましょう。


例えば勤務時間とか、給料とか、レッスンとか、休みとか。


だれしも1つや2つ、不満に思うことが思い浮かぶでしょう。


この部分が改善されないのは、何かしらの理由があって会社が「やりたくてもできない」もしくは「やりたがらない」可能性があります。


ここに競争優位のヒントがあります。


内部的視点とは、美容師視点で、やりたくてもできいないこと、やりたがらないこと、マネしにくいことを考えてみる。ということです。


 


 


                   




《外部的視点》


 


外部的視点とは「お客様目線に置き換えて考えてみる」ということです。


普段、美容師として働いているとお客様視点を忘れていきます。


 


お客様は値段に敏感です。


自分が提供しているサービスが果たして値段的に妥当かどうか?


また他社と比較して、市場全体と比較して妥当かどうか?


他社が自社より低い値段で同レベルのサービスを提供しているなら、価格が安いサロンにお客様は流れます。


ではなぜ、価格が高いところはそのままなのか?


それは、価格を下げるということを「やりたくてもできない」もしくは「やりたがらない」可能性があります。


ここに競争優位のヒントがあります。


外部的視点とは、市場視点で、やりたくてもできないこと、やりたがらないこと、マネしにくいことを考えてみる。ということです。


 




                   



 


 


《客観的視点》


 


上記2つ「内的視点」と「外的視点」は自分の視点で考える、もしくは自分の視点を置き換えて考える方法です。


客観的視点は、それとは別に第3者的視点から考えることです。


客観的視点としてわかりやすいのはコンサルタントです。


コンサルタントは企業の問題点や改善点を第三者視点で分析し、会社の問題を解決したり業績を伸ばす職業です。


大きな会社はコンサルタントを雇って、問題を分析します。


しかし、美容室でコンサルタントを雇うことはあまり現実的ではありません。


では自分でコンサルタントのような客観的視点を獲得するためにするためにはどうしたらいいでしょうか?


 


答えは「本を読んで勉強すること」です。


 


具体的な分野だと


 


・マーケティング


・マネジメント


 


の分野を勉強するといいでしょう。


本屋に行って、マーケティングとマネジメント関連の本を買ってきて勉強すれば客観的視点を獲得できるようになります。


中でもアメリカのビジネススクールの教授などが書いた本を読むことが理想です。


本屋の片隅でホコリを被ってるような、普通の人ががあまり手に取らないような本です。


理由としては、彼らは第三者として、学者の視点からビジネスを研究しているからです。



具体的なところだと、



ピーター・ドラッカー


マイケル・ポーター


フィリップ・コトラー



などです。



 彼らの本は昔から読み継がれていて、時代を経ても尚、名著と呼ばれていたりします。


理想としては上記著者の原著に当たってみることですが、実際読んでみるとわかりますが、なかなか難しいです。


エッセンス版や各著者の入門編などもたくさんあります。初めは簡単な本から読み進めることをオススメします。



学習方法は以前書いたブログを参考にしてみてください。



格差とは学習格差である【稼ぎたいなら学習しろ】


 


客観的視点とは、第三者視点で、やりたくてもできいないこと、やりたがらないこと、マネしにくいことを考えてみる。ということです。


 



                    


 




以上、3つの視点を解説しました。



ここまで読んで「あぁなるほど」と、ピンときた方は経営者に向いているかもしれません。


 


 


 


最後に。追加ヒントとして。


 


冒頭で述べた「逆張り」のように「視点の置く場所」を極端に変えて考えてみることをオススメします。


 


例えば


カット料金を0円にしてみたらどうだろうか?


歩合を90%にしてみたらどうだろうか?


週休5日にしてみたらどうだろうか?


 


上記は極端な例です。


しかし、あり得ないとしても考えてみる訓練をすると、競争優位を獲得するためのヒントを得る時があります。


 


逆張りの視点というのは極端な状況です。通常のセオリーとはかけ離れている。


でも、普段からそういった状況をあえて空想し、常識を疑うようにすると、柔軟な発想で物事を考えることができるようになります。


 





 


【まとめ】


 


ここまで長文を読んでくださりありがとうございます。


とはいえ、まだ焦点がぼんやりしていて「具体的にどうやったらその競争優位とやらを獲得できるんだよ」という方も多いと思います。


安心してください。理解していただけるように次回詳しく解説します。


 


さて、その前振りとしてSOCO/AO/SUNが行ってきた


 


他サロンが



「やりたくてもできないこと」


「やりたがらないこと」


「マネされにくいこと」


 


をリストアップしておきます。


 


 


 


 


《他サロンがやりたくてもできないこと》


 


〜「突っ込んだクリエイティブコンテンツ」×「マーケティング視点」〜


 


 


 


《他サロンがやりたがらないこと》


 


〜「クリエイティブ系」×「ネット広告」×「低単価」〜


 



 


《他サロンにまねされにくいこと》


 


〜美容室経営 × マネジメント視点〜


〜美容室経営 × マーケティング視点〜


〜美容室経営 × アナリティクス視点〜


〜美容室経営 × リクルーティング視点〜


 


 



ざっくり我々が創業から意識的にやってきたのはこのあたりです。


 


 


このリストを見ただけだと、具体的に何をやってきたのかわかりにくいでしょう。


次回は、上記リストについて、我々がどのように競争優位を獲得し、その結果として3年で3店舗出店することができたのか。その理由について具体的に書いていきます。


 


 


 


関山