【美容師が年収1000万円を達成するための条件 〜プレイヤー編〜】
タイトルの通り、本記事では美容師が年収1000万達成するための条件を書きたいと思います。
長くなりそうだったので前編・後編に分けて書きます。
前編は「プレイヤーとしての美容師が年収1000万円を超えるための条件」
後編は「経営者としての美容師が年収1000万を超えるための条件」
について書いていきます。
まずは前編
「プレイヤーとしての美容師が年収1000万円を超えるための条件」
です。
▶︎【本文を読んで理解できること】
・日本全体における年収1000万超えのハードルがどれくらいかわかる。
・プレイヤーとしての美容師が、年収1000万に到達するため条件がわかる
▶︎【はじめに】
年収1000万以上というと、みなさんどういう印象を持ちますか?
国税庁の民間給与実態統計調査(H28年度版)によると、男女別の年収区分は以下の通りです。
グラフのX軸が「年収」
Y軸が「比率」です。
これによると
年収1000万〜1500万の、日本国民(労働者人口)全体に対する割合は
男性で5%、女性で1%
となっています。
逆に最も年収分布が多いのが
男性=300〜400万 全体の18%
女性=100〜200万 全体の25%
です。
このように国民全体で見ても、年収1000万を超える人の割合はあまり多くないことがわかります。
〜この記事を書いている僕(関山)自身について〜
現在の僕自身について書いていきます。
美容師、美容室3店舗経営。年収は1000万円を超えています。
なので、この記事を書くにあたって信憑性の担保はあると思います。
今も美容師として髪を切っていますが、徐々にサロンワークから経営に比重を移しています。
プレイヤー中心で美容師していた時は、多くても月30万ちょっとくらいの給与でした。
年収にすると360万円。
年収分布のグラフでいくと、最も割合の多い300〜400万の層でした。
独立したての時は、月の収入が10万円だったり、100万以上だったり、時にはゼロだったりマイナス50万の時もありました。
どうしてそういうことが起こるのでしょうか?
それについては後編で書いていきます。
〜年収1000万は月収でどれくらい?〜
単純計算で年収1000万達成するためには月の所得が83万〜84万円必要になります。
84万円×12ヶ月=1008万円です。
では世の中に月84万円以上稼ぐ美容師はどれくらいいるでしょうか?
▶︎【プレイヤーとしての美容師が年収1000万円到達するための条件とは?】
年収1000万達成するには、ざっくり、個人の指名売上で最低200万以上が必要です。
これは誰でもわかることだと思いますが、100万円売り上げたから所得=100万というのは現実的に不可能です。
なぜなら諸々経費がかかってくるからです。
・アシスタント人件費
・材料費
・家賃
・広告費
・水道光熱費
・雑費
などがそれにあたります。
以下各項目の詳細について書いていきます。
《アシスタント人件費》
200万の売上を達成するために、アシスタント1人は必要になってくるでしょう。
サロンワークでは電話が鳴ったり、お客様が来店された時に受付を済ませたり、会計したり。が必要になってきます。
売上構成(低単価・高単価)によっては2〜3人必要になる場合もあるでしょう。
アシスタント1人当たり人件費20万だとして、2人必要な場合は40万、3人必要な場合は60万が経費としてかかります。
今回は1.5人必要として30万円としましょう。
《材料費》
材料費は店によって比率が違うかと思いますが、6%〜15%くらいのレンジが多いでしょう。
仮に10%かかるとして、200万円の売り上げに対して材料費は20万円です。
《家賃》
これも立地や広さによって違うと思います。
相場として、店のキャパをフルに使いきって、売上の10%以下が理想の家賃設定と言われています。
現実的にフルに使い切ることは難しいかと思うのですが、200万の売上に対して10%の20万かかるとしましょう。
《広告費》
どの媒体を使うかによって大きく開きがあります。
ホットペッパーは定額ですし、minimoは成果課金です。
ウチの場合広告費に15%くらいかかっています。
広告費の業界平均は10%くらいでしょう。今回は便宜上10%として20万円とします。
《水道光熱費》
これは売上の2%くらいになります。
200万の売上に対して、約4万円。
《雑費》
リースタオル・名刺・お客様に提供する飲み物、その他店で必要な雑品などがこれに当たります。
月間3%だとして、約6万円。
《消費税》
※消費税は経費ではありません。売上に入れるのか省くのかで変わってきます。
現在8%です。200万の売上の中に消費税を含めるかどうかで変わりますが、もし消費税込みで200万の売上であれば16万が消費税ということになります。
▶︎【経費の合計は?】
さて、上記挙げた経費全体を足すと
「116万」
が、200万売り上げるための経費としてかかっていることになります。
200万の売上から経費116万を引くと84万円です。
おめでとうございます。年収1000万達成です。
ただし、これは会社に利益が一円も残らない状態で。です。
また、他にも税理士費用や社労士費用・顧問弁護士費用などの外注リソースの費用がかかってきたり、接待交際費、会議費、固定資産税など様々な経費がかかってきます。
そうすると、会社にとってはマイナスの域に突入します。
赤字というやつです。
通常会社に利益が残らないことをやってしまうと、人の採用や出店などに繋げることができないので、その先、会社の成長はありません。
ということで上記のような報酬体系の会社は基本的にありません。
あるとすればその後潰れるでしょう。
現実的には年収1000万を超える条件として、会社によりますが、広告に頼らなくて最低250万。広告を使った場合やアシスタントを増員した場合、300万以上の売上が必要ということになるでしょう。
▶︎【指名売上200万超えの美容師は日本にどれくらいいる?】
さて、年収1000万円を達成するには最低でも売上200万が必要だと書きました。
では世の中に200万以上の売上を達成している美容師はどれくらいいるでしょうか?
美容業界で売上200万以上の美容師は2%以下とのことです。
(浅くて申し訳ないのですが、ソースは6年前くらいの業界誌。現在はもっと低い可能性があります)
仮に2%だとして1000万超えの年収を稼げる可能性のある美容師は100人に2人ということになります。
僕は美容学校が夜間で、1クラス100人ちょいのマンモス校だったのですが、同級生のその後をみても、確かにそれくらいだな。という感覚はあります。
とはいえ、200万の売上では年収1000万円達成は現実的に難しいということは先ほど書きました。
そうすると、おそらく年収1000万達成できる美容師は全体の1%以下になるでしょう。
▶︎【ウチ(SOCO/AO/SUN)の場合だとどれくらいで1000万達成できる?】
様々な前提条件がありますが、
ウチ(SOCO/AO/SUN)の場合だとざっくり
指名売上250万〜(税抜き)
で達成できます。
基本給=18万
勤続歩合給=3万(3年勤続の場合)
非課税交通費=1万
指名歩合=50万(売上の20%)
フリー・ヘアセット歩合=2万
店舗業績給=10万(店舗売上に対する1% ※店舗のキャパにもよる)
《合計84万》
です。
これは「店舗代表」という上位役職で、です。
また、ほぼminimoなどの広告に頼ってないという前提で、です。
ウチには役職の段階ごとに「スタイリスト」「店長」「店舗代表」というランクがあります。
役職ごとに求められるスキルや、所定の歩合が変わってきます。
キャリア設計に関してはHPのrecruit→ "教育・昇給・キャリア設計" に記載してあります。
そちらを参照いただければと。
【まとめ】
以上、プレイヤーとしての美容師が年収1000万を達成するための条件について書いてきました。
いかがだったでしょうか?
1000万達成は難しい?簡単?
国民全体で見ると年収1000万以上の層の比率は低いので、普通に考えるとなかなか達成することは難しいと言えるでしょう。
次回、後編では経営者としての美容師が年収1000万円達成するための条件について書いていきます。
関山