なんで美容師してるの?
こんにちは関山です。
みなさん普段美容師として働いていてどのような生活を送っていますか?
美容師をしていると「仕事が生活のほとんどを占めている」という人も多いのではないでしょうか?
さて、今回のタイトルは
『なんで美容師してるの?』
ド直球なテーマです。
「美容師が好きだから」
「デザイン・クリエイティブが好きだから」
「接客が好きだから」
「生きていくために仕方なく」
様々あると思います。
僕が美容師を目指した理由は2つあって
① 「美容師がカッコよかったから」
②「スキルを身につけて所得を増やしたかったから」
ざっくりですが、この2つです。
先日LOCO代表、内田聡一郎さんのブログを拝見させていただきました。
素晴らしい内容なので、みなさま一度拝読されることをオススメします。
内田さんのブログを読んで触発されたので、今回はこの記事を絡めて文章を書きたいと思います。
【美容師はブラック労働か】
さて、内田さんのブログによると、美容師の平均年収は284万円。
月に換算すると23〜24万円くらい。
国家資格のある職業の平均年収ランキングでは最下位だそうです。
でもって勤務時間は長いし、労働環境は控えめに言っても「ブラック」
もちろん本文の主題は
「年収や厳しい労働環境=美容師・ブラック・最悪」
ではありません。
美容師が置かれている状況を客観的に俯瞰しつつも、職業としての美容師に対する叱咤激励と賛美です。
文脈を含めた内容を理解して、はじめてタイトルの真意が汲み取れるようになります。
重ねて申し上げますが、美容師をやっている方は実際に内田さんのブログを拝読されることをオススメします。
【社会一般の成功ルート】
本題に入ります。
美容師は平均年収が国家資格ある職業の中で最下位である。
かつ、社会全体で見てもかなり年収の低い職業であることは間違いないでしょう。
みなさん、小学校〜高校までに
「勉強していい大学に入りなさい。将来のためだから」
と、親や学校の先生に言われたことが、一度や二度あるかと思います。
社会では
勉強→いい大学→いい就職先=「高所得」
っていうのが人生における成功ルートになっています。
今更僕が言うまでもなく、誰もがわかっていることでしょう。
僕自身はというと、中学校時代はそれなりに勉強をしたものの、高校時代は全く勉強をしてきませんでした。
勉強が苦手だったというのもあって、社会一般の成功ルートにはまったく魅力を感じませんでした。
当時は、カリスマ美容師ブーム真っ只中。
大学行って、就職して、スーツ着て、みたいな生き方はダサいと思っていた。
(言い方が悪くて申し訳ありあません。もちろん今はそんなことはまったく思っていません)
それより自分がカッコイイと思うこと。
髪型とか、音楽とか、服とか、カルチャーとか、女の子にモテることだったり。
そういったことばっかりに夢中になって中学〜高校を過ごしてきました。
【やがて差がつき始める】
僕が遊んでいる間、大学受験する同級生はみんな一生懸命勉強していました。
そして、大学に行って、就職して。
やっぱり途中から所得も含めてその人たちとの差がどんどん開いて来るワケです。
大きい会社に就職した友達は、稼ぎが増えて、ボーナスがあって。結婚して、子供もいて。家が建って。
かたや東京で美容師してる僕は
家賃高いし、車持てないし、服代かかるし、いい服買ってもすぐにカラー剤飛んでダメになるし。
貯金なんて全然できない。
やっぱりちゃんと勉強して大学行っといた方が良かったのかなー。とか、思ったりして。
でもね。そりゃそうです。
青春時代という人生の中でも一番楽しい時期に、コツコツ努力して勉強している友人がいる横で、自分は遊びまくってたんだから。
でも、わかってて、この仕事選んだのは「自分」なんですよね。
【じゃあなんでやるの?】
じゃあなんで美容師やるの?って言われたら
「好きだから」
それ以外ありません。
僕自身、途中何度か転職して、合間でニートの時期とかもありました。
でも美容師以外の職業は考えられなかった。
自分で言うのは恥ずかしいのですが、僕の美容師としてのキャリアは悪くない方だったと思います。
北海道の超田舎から上京して。
受けてもほとんどの人が落ちる、求人倍率の高いサロンに運良く就職できて。
能力・センス・仕事に対する志が高く、カルチャーに造詣の深い先輩・後輩と共に仕事をさせていただいて。
雑誌の撮影などもやらせていただいて。
雑誌で当たって、それなりに有名になった時期もあったり。
たぶん、世の美容師の中ではワリに良いキャリアを歩んきた方だったろうな。と思います。
それでも。やればやるほど、自分の美容師としての能力に限界を感じていました。
それこそ、同世代に内田さんのような、才能があり、努力を惜しまない方がいて、自分はああはなれないな。とも思っていました。
人間に対してデザインを切り込めない。攻められない。
それでも諦めたことは一度もありませんでした。
自分の将来を悲観したこともありません。
心の底から自分の能力を信じていました。
いつか必ず逆転してやるって思ってやってきた。
でも普通にやっても勝てそうにない。
じゃあ、どうすればいい?
【自分の強みを見つける】
では実際僕が何をやってきたかというと、普段ブログで書いてきたようなことです。
僕の戦うべき戦場は、人物に対するデザインではなく、内装・グラフィックなど、マテリアルに対するデザイン領域であり、
マネジメント・マーケティング、カルチャー全域における知識と造詣である。
と方向を定め、転換しました。
じゃないとこの業界で一番になれない。
でも、その領域であれば僕以上に努力できる人はいないはず。
プレイヤーとして正面突破で勝てないのであれば
「違うやり方」で勝つ。
そのために徹底的に学ぶこと。
他の美容師が到達できないところまで。
【悔しさを忘れないこと】
以下はホームページ"Recruit"の冒頭文です。
この文は「かつての僕が思っていたこと」です。
当時の自分を思い返して書きました。
美容師さんとか美容学生の方に
「リクルートの文を読んでSOCOに興味を持った」
って言っていただけることがあります。
そう言っていただけて、ホントに嬉しく思います。
もし、そう思ってもらえる理由があるとすれば
「美容師をやってると誰もが通る道」
だからだと思います。
今、スポットライトを浴びている美容師も
僕がリクルートの冒頭文で吐き出したような
『ドロっとした負の感情』
を過去に経験しているはずです。
それを乗り越えてきたから、今、美容師として結果を出せているんじゃないでしょうか?
もし、そういった過去がないまま、スポットライトが当てられてるのであれば、これから先危険かもしれない。
そして、今脚光を浴びてたとしても、かつて自分が舐めた負の感情を忘れてしまう人は高い確率で失敗するでしょう。
多くの人が「現実」と対峙した時に
環境のせいにしたり
現実逃避したり
自分の能力だと勘違いしたり
努力を止めて惰性で生きてしまったりします。
かつて僕も、美容師としての才能に限界を感じて、くじけそうになりました。
でも、悔しさをずっと覚えていて、諦めなかった。
もしその時諦めていたら、今のSOCO/AO/SUNはありません。
その後も平均的な美容師の1人のままだったでしょう。
【やれるのは自分しかいない】
自分を持ち上げる訳ではありませんが、過去の自分を褒めるとすれば2つの視点があります。
「自分の可能性を信じていたこと」
「自分の選択に責任を持ち、学習を継続してきたこと」
この2つ。
僕が言いたいのは、結果を出せているから・所得が多いから偉い、偉くない。ということではありません。
業界平均を受け入れる人は、その生き方で問題ありません。
もし、自分の現状を受け入れず、他と比較して不満を言うのであれば、それは卑怯です。
現状を引き起こしたのは他ならぬ自分自身だから。
これから先、自分の人生を生きていきたいのであれば、誰のせいにもせず、選択に責任を持つこと。
現状が理想と違うのであれば、理想と現実を1つにするために、いつか花開くことを信じてコツコツ努力するしかない。
自分の可能性は自分にしか定義できません。
で、あれば。自分でやるだけです。
【まとめ】
普段キャラ的に淡々と書くように心がけているのですが、内田さんのブログに触発されて、久しぶりに熱い文章を書いてしまいました。
文体が定まらず申し訳ありません。
先ほど述べた通り、僕自身、美容師としてそれなりに悪くないキャリアを歩んできた方だと思います。
その中で、良い時もあれば、全然な時もありました。
時間と共に、いつの間にか業界では取り残されていったけど、諦めはしなかった。
諦めず、学習し、しぶとく生き残ってきた。
冒頭で世間一般の成功ルート、大学→大企業→高所得について書きました。
そういう人たちはそれ相応の努力をしてきたからこその今があるわけです。
まわりが遊んでる時にきちんと努力してきた。
美容師にも様々な戦い方があります。
内田さんのようにプレイヤーとして、トップをひた走る戦い方もあれば、僕のように変化球で戦う戦い方もあります。
どちらにせよ、他より結果を出したいのであれば、他と違うレイヤーまで自分の能力を磨くしかありません。
もし現状が平均的な美容師のままで、これから先も平均的な美容師と同じやり方を続けるのであれば、その先の人生も平均的なまま変わりません。
変えたいのであれば、省みること。
現状を変えられるのは自分だけです。
関山