コロナ拡大と今後の景気動向について
こんにちは関山です。
前回の続き
前回はコロナウィルスの脅威と簡単な知識について書きました。
コロナ拡大はフェーズ1だとして、もう一つの脅威であるフェーズ2「世界的な景気後退」が濃厚となってきました。
まずは週明け、本日の日経平均株価とドル円の為替。
日経平均は1000円overの下げ幅
ドル円は開始から大幅に窓を開け下落。
ここ数年のサポートラインだった105円を大きく下抜け、一時101円半ばまで円高が進行。
今朝から株と為替に注目していましたが、さながらリーマンショックの時ような様相を呈していました。
この流れはしばらく続くと予想します。
さて、今回はフェーズ2「世界的な景気後退」の可能性について僕の視点から解説してみたいと思います。
【景気後退予測】
まず、日本国内の内需は2つの要素によって成り立っています。
1.日本国民による内需
2.インバウンド観光客による内需
まず1.の「日本国民による内需」ですが、先日発表されたGDP(国内総生産)によって後退が明確になりました。
去年10月~12月のGDPは-6.3%。
さらに本日付の報道で-7.1%に下方修正されました。
このマイナス成長率は2014年4~6月以来の数字です。
GDPマイナス成長の原因は一つ。去年10月に行われた「消費税増税」です。
8%から10%になったことで、国内消費が落ち込み、GDPマイナス成長となったわけです。
(ちなみに2014年4月は5%から8%に増税のタイミング)
さてさて、これは去年【10月~12月】四半期の数字です。
まだコロナウィルスの影響がなかった頃。
では次の1月~3月四半期はどうなるか?
【消費税増税×コロナショック】
GDPはマイナス10%を超えてくるかもしれない。
新型コロナの影響もあって、増税のタイミングは最悪だったと言えます。
次に2.の「インバウンド観光客による内需」
ここ数年、日本は外国人観光客(インバウンド)需要で内需を伸ばしてきました。
日本全国どこへ行っても、様々な国の外国人を見かけるようになった。
特に多いのが中国人観光客。
「爆買い」という言葉が流行りましたが、訪日外国人観光客の消費によって、内需が支えられていたわけです。
この戦略は政府主導となって取り組み、成功を収めてきました。
日本国民による国内消費は、少子高齢化により最も消費の盛んな若年層が減るわけですから、中長期的に無理ゲーです。
これからはインバウンドに頼るしかない。
この政策は正しい。ここ数年の好景気を後押ししてきました。
しかし、新型コロナの影響で今後外国人観光客が渡航先として日本を選択する可能性は下がるでしょう。
さらに、このまま円高が進行すれば、今まで割安感のあった日本旅行が高くなる。これも訪日観光客減少に拍車をかけます。
そうすると、インバウンド観光客による内需も大幅に下がる。
現在訪日外国人観光客の年間の数は約3000万人。
これがどれくらい下がるか?
仮に2分の1になったとしたら国内消費に降りかかるダメージは甚大です。
特に打撃を受けるのはインバウンドをターゲットとした宿泊、飲食、小売、アパレルなどでしょう。
また、急激な円高の進行により、輸出比重の高い国内大企業(重工業等)の収益率が悪化。さらなる株価の下落を招く。
全産業の経済活動が鈍化することによって、大企業はボーナスカット、採用のストップなど自己防衛に向かうでしょう。
そこからめぐり巡って国内全産業に影響を及ぼす。
【どうにかならないの?】
日本国内をメインに話を進めてきましたが、これは世界全体で見ても同じです。
現代はグローバル社会ですから、新型コロナの影響で人の動きが止まると、他の国でも日本と似たような状況が起こります。
特に中国発祥のウィルスですから、中国人の渡航制限を各国がかける可能性もある。
そうすると諸外国のインバウンドによる内需も落ち込みます。
また、株・為替共に景気後退の条件が揃ってしまっていると言えます。
日銀やFRB(アメリカ中央銀行)は緊急利下げを検討し、景気の下支えを表明していますが、それも織り込んだうえで市場は動いているので効果は限定的でしょう。
というか、世界中のヘッジファンドは現在AIによるアルゴリズムで莫大な投資額を動かしているので、テクニカル上でサポートを割ってしまった今では、私情や感情を挟まずにさらに勢いよく売りの判断をする可能性が高い。
彼らは儲かればなんでもいいわけです。
現時点で最もリセッション回避の可能性が高いのが
「新型コロナウィルスの早期鎮静化」一択です。
ですが、特効薬であるワクチンの開発にはまだ時間がかかる。
もし、各国が封じ込めに成功し、SARSの時のように暖かくなるにつれて鎮静化するのであればリセッション回避できる可能性はまだなくはないのかもしれません。
【まとめ】
かなり悲観的なことを書いてきてしまいましたが、不景気はサイクルとして必ず訪れるわけです。
これがリーマンショック以来の不景気となるかどうかはまだ確定していませんが、現状での可能性は高い。
もしこのまま不景気に突入したら、歴史上には「コロナショック」と記されるのかもしれません。
もちろん、そんな中でも会社はなんとしても生き残り、従業員の生活を守っていかなくてはいけない。
では、ウチみたいな弱小中小企業はどうすれば生き残れるのか?
景気後退期には景気後退期の戦い方がある。
これについてはまた次回書きたいと思います。(もしかしたら書かないかもしれない)