【新型コロナ】今すぐに経営者がやるべき、資金繰り・給付金・税・社会保険納付猶予等【まとめ】
現時点で国から出されている、資金繰り、給付金、税・社会保険納付猶予等の援助に関して経済産業省からまとめが出ています。(4月8日最新)
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf
経営者の方はこちらを参考にやるべき事を今すぐ進めていきましょう。
しかし、かなり膨大な量であり、かつ、要件も複雑なので、今すぐにやるべきだと思われる点に関して僕の方でまとめておきます。
(わかりやすくお伝えできるかわかりませんが、何かの参考になれれば、、)
まっ先に今やるべきことは以下の3点です。
A【資金繰り】
B【給付金】
C【社会保険・税の納付猶予】
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A【資金繰り】
今一番重要なのは資金繰りです。
急激な売上減少の中、現金が尽きると会社は倒産します。
体力のあるところは別として、ウチも含め小規模美容室経営者のみなさんは以下の2点を「今すぐに」やってください。
1.日本政策金融公庫への借入相談
2.民間の銀行への借入相談
1.日本政策金融公庫への借入相談
1に関しては、以前ブログでお伝えしました。
美容室経営者は今すぐお金を借りに行け。【政策金融公庫】〜新型コロナ特別貸付〜の解説。
自分で申し込みを入れる場合は、まず、必要書類を公庫のHPからダウンロードして、直接融資相談に向かうことになります。
書類は以下からダウンロードできます↓
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_info_a.pdf
しかし、窓口がありえないくらい混んでいます。
待ってる間、座る椅子もないくらいです。
アポイントを取らずに行くと、とんでもなく待たされます。
もし、税理士さんと顧問契約しているのであれば、税理士経由で申し込みを入れてもらうことが理想です。
そうするとアポイントを取ってから行くことができます。
アポイントを取ることで、待つことなく融資相談が可能です。
僕は今週月曜に政策金融公庫の面談に行ってきました。
さらっと書類だけで終わる感じではなく、丸々1時間枠でキッチリ面談がありました。
面談は今後の見通しなどを決算書類等を参考にかなり細かく聞かれます。
事前に決算書を読み込んで、今後の展望や、コロナをどう切り抜けるとか、自社の強みをアピールできるようにしておきましょう。
もちろん担当の方も状況を理解しているので親身になってお話を聞いてくださいます。
全然「貸せないですね」という雰囲気はありませんでした。
僕個人の推測ですが、面談が長いのも、面談担当の方が決裁権を持っていて、その場で判断するということからだと思いました。
(本当にそうかはわかりません)
でなければ早急な融資決定ができないでしょうし。
支店決済で素早く対応できるのが3000万の枠までで、それ以上に関しては本店の決裁確認が必要になるそうです。
弊社では3000万の融資を申し込んで、現在は結果待ちです。
結果までは概ね1〜2週間かかり、その後契約書類が送られてきて、契約書類に記入し返送すれば入金は迅速に行われるそうです。
2.民間の銀行への借入相談
こちらは普段取引のある銀行に申し込みます。
通常業績が悪化している企業に民間の銀行は貸付しませんが、今は借りられる可能性があります。
理由は「保証協会が保証を取り付けてくれるから」です。
↓
https://www.cgc-tokyo.or.jp/cgc_covid-19_info_2020-3.pdf
緊急の保証対策を東京都が打ち出しているので、その保証制度を使えば、民間の金融機関も貸しやすくなります。
直接保証協会に電話してこの制度について問い合わせたのですが、パンフレットに載っていること以外の情報は引き出せないので、あまり意味はありません。
まずは取引銀行の融資担当者に連絡を入れて「東京保証協会付きコロナ対策の融資制度についてご相談したい」と伝えるのが一番速いです。
もし、民間の金融機関から借入実績がなくても、問題ありません。
まずは普段使っている銀行に問い合わせることです。
僕が普段お付き合いあるのは都内の信用金庫2行です。
そのほかにもメガバンクを給与振り込みに使っていますが、メガバンクは基本大口を対象として動いています。そういった理由から、小規模事業に対してきめ細かく対応してくれない可能性があります。
理想としては地域に根差した信用金庫にすでに口座があって、そちらに相談に行くことです。
口座がなければすぐに開設して融資相談してください。
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B.【給付金】
給付金に関しては以下の3点です。
1.【雇用調整助成金】
2.【30万円現金給付】
3.【フリーランス→100万、中小事業→200万】
1.【雇用調整助成金】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
まず雇用調整助成金に関してはとんでもなく複雑です。
提出書類だけで11種類あります。
この状況の中、事業者をバカにしてるのか?と思うくらいです。
かつ申請しても給付が2ヶ月〜3ヶ月後になる見通しです。
先ほどお伝えした融資制度を活用し、キャッシュを手元に残しておかないと、従業員の給与を払う分のキャッシュアウトで会社は潰れます。
しかし、売上の見通しが立たずこの制度を利用しない場合、従業員の解雇という判断になってしまう美容室も多いでしょう。
書類が複雑かつ難易度が高いので、社労士と顧問契約をしている場合はそちらにお願いする判断もアリです。
しかし、基本的にマージンが発生します。
弊社では自社で対応することにしました。
一方、従業員の戦略的全解雇という判断もあります。
助成金申請が難しすぎて自社ではムリだという場合や、すぐにでもキャッシュアウトを防がないと会社が持たないという場合はそちらも検討してください。
今は「会社都合」で解雇して、すぐにでも失業保険を受け取れるようにする。でも、状況が改善されたらまた一緒に働こう!
そう伝える事です。
タクシー会社が社員全解雇を決断して話題になりました。
https://www.asahi.com/articles/ASN486KGGN48ULFA03C.html
今の状況ではこの判断も正しい、というか、そういう判断もアリだと言えます。
一方で、全解雇することで、年金や健康保険の切り替えを個人個人にやってもらう必要があります。
解雇された従業員が個人的に対応しなくてはならない手続きも膨大な量になるでしょう。
また、現時点では戦略的解雇が失業保険対象として認められるかどうか?のリスクも指摘されています。
何が正しい状況かわからない今、このタクシー会社の前例が、新たな活路になる事を期待しています。
2.【30万円現金給付】
この制度も出だしは凄そうでしたが、内容を見ると本当にヒドイものとなっています。
超複雑で、誰が対象になるのか、ある程度会計や税務の知識がある人じゃないとわからないはずです。
ポイントとしては、世帯ごとに給付が定められていて、住民税が非課税になるレベルの年収の人しか受給できないということです。
(この文章だけでもうワケがわからないですよね。。)
わかりやすくお伝えできるか自信はありませんが、ご説明させていただきます。
まずはざっくり。
【住民税が非課税となる基準】
・単身者=年収100万以下
・専業主婦と二人暮らしのサラリーマン=年収156万以下
・サラリーマンと専業主婦、子供2人=年収255万以下
※しかもこの要件は各市区町村によって変わる
これが基本的受給要件です。
現在仕事をしている人でこれに該当する人が今の日本にどれくらいいるのか?
正社員で雇用されている人の中にはほとんどいない。
この条件を満たす人はすでに生活保護を検討、または申請しているでしょう。
正直バカにしているとしか思えない。。
一方で、もう一つ受給できる可能性としては
「月収が半減以下」かつ「住民税が非課税になる2倍の水準」も受給対象に入ってきます。
すごくざっくりですが
A.50万/月→30万/月 対象外
B.50万/月→25万/月 対象
世帯構成によりますが、B.は2〜4人世帯であれば対象となる可能性があります。
一方で
100万/月→50万/月 は対象となりません。
所得は半減していますが、住民税の非課税対象の2倍を軽く超えているからです。
文章で説明するのがかなり難しいので、以下のyoutube動画がわかりやすいです。
https://www.youtube.com/watch?v=QY86iNGynHU
経営者はスタッフに対して、この制度を使えるようにしてあげることも視野に、休業補償の額などを考えた方がいいでしょう。
3.【フリーランス→100万、中小事業→200万】
こちらに関してもまだ正確な申請時期や詳細がハッキリしませんが、明らかにコロナの影響があるな、という事業者は給付対象になるはずです。
現状で出ている情報はこちら↓
https://www.ryutsuu.biz/government/m040940.html
注意深く続報を待ち、タイミングが来たら必ず申請しましょう。
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C【社会保険・税の納付猶予】
1.社会保険
2.税
1.社会保険
α.厚生年金
β.健康保険
がこれに当たります。
まずは α.「年金」
弊社が加入しているのは厚生年金です。
年金事務所に確認しに行ったところ、今後どのような通達が上から降りてくるかわからないので、現場はそれを待っている状況だそうです。
相談窓口の方の話を箇条書きでまとめると
1.納付猶予を受けるための手続きが今後変わってくる可能性がある。
2.手続きが変わってくるので、とりあえずは年金が引き落としされる銀行口座に残高を残しておかないこと。
3.その後1ヶ月以内に督促状がくる。
4.督促状を無視していると(来店通知?年金事務所に来てください的な通知)が来るので、それを持って事務所に行き、納付猶予の手続きをする。
と伝えられました。
この手続きの踏み方が正しいのかどうかわかりませんが笑
現場の方もかなり問い合わせが多く、今後の政府の対応が読めないのでそのような判断になっているのだと思います。
今は手元にキャッシュを残すことが重要なのと、経営者はほかにもやることが膨大に積み上がっていると思います。
取り急ぎは
2.年金が引き落としされる銀行口座に残高を残しておかないこと。
で対応する。が最善かもしれません。
次に β.健康保険
東京と大阪の美容室は、組合保険である美容国保に入っている事業所が多いでしょう。
こちらは社労士に確認したところ「納付猶予はできない」との回答でした。
今後変わって来るかもしれませんが、今現時点ではそのような状況のようです。
2.税
新型コロナの影響を受けている事業者は、法人税・消費税・固定資産税など様々な税金が納付猶予対象となります。
問い合わせたところ、申請書類を用意して、そちらで納付猶予の手続きをしてくださいとのことです。
窓口に行きましたが、確定申告の時期と重なり、税務署も相当混雑しています。
弊社では税理士さんと相談して申請書類を作成する予定ですが、もし顧問税理士などがいない場合は、手続きの煩雑さを考えると年金事務所と同じ「口座残高を残さない・督促が来たらそれ持って税務署に行く」対応でもイケるかもしれません。
(これは裏技なので自己責任でお願いします。延滞料などが取られるかもしれません)
最後に、社会保険も、税金も「納付猶予」である事に気をつけてください。
納付猶予期間は今現状で1年です。
いずれ払うことになるので、それも視野に入れて検討する必要があります。
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以上、今進めるべき対応の大まかな解説でした。
正直まだ不確定要素が多すぎて、あまり参考になる説明ができず申し訳ないのですが、引き続き進捗があれば、このブログでお伝えしていきたいと思います。
美容業界全体、力を合わせてで生き残りましょう!
関山